What’s IROBUN

●色物とは…(wikipediaより)

  1. 寄席において落語と講談以外の芸、特に音曲を指す。寄席のめくりで、落語、講談の演目は黒文字で書かれていたが、それ以外は色文字(主として朱色)で書かれていたのを転じて、そう呼ぶようになった。
  2. 1より転じて、ある場において、それがもともと意図していない、あるいは中心的な存在とは考えていない分野、そうした分野を専門とする人々を言う。
  3. 衣類の中で白い色の服以外のものを指す言葉。特に濃い色の服や派手な柄物を指すことが多い。色移りし易いという事で混ぜての洗濯を避けるための区分。

●色物文具とは…

調理道具に触らない日はあっても、文房具を使わない日はまずないはずです。文房具は、最も日常的な道具と言ってよいでしょう。そして、そんな日常に素知らぬ顔をして、ふとそこにいる異形。それが色物文具です。
当サイトでは、そんな文房具のクセに『使えない』『使えるけど何かヘン』『いきなり見た目からバカ』など、道具としての存在価値からして危ういような異形の存在を指して色物文具…略してイロブンと呼称します。

本来「より高い作業効率とよりよい使用感、そしてそこから発生するより高度な成果」を求めて進化するのが道具の正しい在りようでしょう。なのに、なぜか「より不穏当な作業効率とよりガッカリな使用感、そこから発生するより下らない笑い」を生み出す色物文具が常に一定の確率で紛れ込んでしまうのです。そこに、色物文具の…ひいては文房具界最大の謎が隠されています。

●なぜ色物文具が生まれるのか?

知りません。その答えはおそらくここにはありません。ないです。このサイトでは、単に「笑えるから」という理由のみでかき集められた色物文具を、特に政治的意図も学術目的もなしに展示してるだけです。
とりあえず、特徴ごとに『文具合成種』『玩具合成種』『形態異常種』『付加価値種』『群体種』『機能特化種』の6種に分類してあります。

『文具合成種』
既存の文具と文具をくっつけた、基本的には【消しゴム付き鉛筆】と同列で語られるべき存在ですが、その“くっつけ具合”が尋常ではないもの、または、その合成の真意を問いただしたくなるようなものを、文具合成種と呼びます。
文具の合成はかつてはヒット文具を多く輩出した手法ですが、今となってはやり尽くされた感も強く、それ故に新製品開発担当者の苦悩が垣間見えるモノが多いのも特徴です。比較的ツウ好みなカテゴリと言えるでしょう。

『玩具合成種』
文具と玩具(遊べるギミック)の合成種です。
子供たちの「学校に持っていっても先生に怒られない玩具が欲しい」というニーズから誕生した分野であるのはまず間違いのないところなんですが、古くはノムラトーイの【ゲーム板下敷き】から新しくはエニックスの【バトルペンシル】まで、軒並み教師から没収対象に指定されています。
しかし、それでも諦めないギミック大好きキッズがいるかぎり、この分野からは新製品が生み出され続けるのでしょう。

『形態異常種』
単に「見た目が変だ」というだけの、最も解り易いイロモノ文具カテゴリです。可愛い系から不気味系まで幅広く分布しており、品数も非常に多いです。
イロブンコレクターを目指される方はここから収集を始めるとコレクションを殖やしやすいでしょう。

『付加価値種』
書く・着る・消すなど従来の文具に必要機能はそのまま、さらに何らかの価値を付加したものです。“抗菌○○”や“超軽量コンパクト○○”などというのもこのカテゴリに含みます。
近来のヒット文具はこのカテゴリから発生することが多く、「そんな価値観は誰も求めてないぞオイ」と言うツッコミが入るぐらいでないと色物文具としては認知しづらいところではあります。

『群体種』
形態異常種の亜種、とも言えるカテゴリです。しかし、個々での性能よりも“同族の集合・合体によりその存在感を120%発揮することを優先した文具”という特殊な位置づけがなされます。
企業のノベルティであったり、お菓子のおまけ(食玩)であったりと、同族全てを集めるのが困難な場合も多く、非常にコレクター泣かせな分野ですが、全てを合体させた時の充実感は他の文具では味わえません。

『機能特化種』
ニッチなニーズから文具としての用途を狭く限定し、過剰に機能を特化・先鋭化させたものです。当然ながら、その結果として『ツブシの利かない』状態に陥っているものがほとんどです。まさに進化の袋小路文具。文具界のタスマニアデビル。
しかし文具(道具)というのは元来その機能・用途を先鋭化させることで完成されたものですから、機能特化種はある意味正しい進化を続けているカテゴリなのかもしれません。