ROBOT SHARPNER

なんともメカメカしく、そしてロボロボしいレトロフューチャーロボット。
見た目、ロボ以外に有り得ないぐらいにロボです。

この「ロボット」という名称は、チェコ語で強制労働を意味する「ロボータ」という言葉から劇作家カレル・チャペックが作った造語。つまりロボットというのは人間に代わって労働する存在なんですね。
じゃあ、この懐かしロボは我々に対してどのようなことをしてくれるのでしょうか。えー、鉛筆を削らせてくれます。はい、削っては、くれません。

胸のカバーをカパッと開きますと、いかにも「鉛筆を挿してくださいさぁココに今すぐ」的な穴があいていますので、仰せのままに鉛筆をずっぷし挿してあげましょう。
あとは普通にゴリゴリと鉛筆を回転させてやれば、体内に内蔵されたシャープナーが綺麗に尖らかしてくれます。
削りカスは頭部の透明キャノピー内に溜まりますので、適当に開けて掃除してあげてください。

ただ、ちょっと普通のシャープナーよりも回すのが重く、カリカリとゼンマイを巻くような音がします。
あと、全くの新品の鉛筆の場合は、完全に先が尖りきる前にゼンマイの巻き終わりみたいな手応えと共にシャープナーが回らなくなってしまいます。

なぜか?
我々人類は鉛筆を削らされただけでなく、鉛筆削りに直結されているゼンマイまでも巻かされていたからです!!!(衝撃の事実)。

それが証拠に、鉛筆を削り終わったロボを地面にそっと立たせてやると、じーこじーこというゼンマイの解放音と共に両足を交互に動かし、もったりとした歩行アクションでぼてぼてと転びながらも前進するではないですか。

なぜ、いつの間に、我々人類は鉛筆を削るという労働に加えてロボットのエネルギー供給までさせられているのか。動力の上前をハネられているのか。
どう考えても労働と使役の立場が完全に逆転しています。リアル『マトリックス』ですよこんなもん。

しかし、この人類の敵ロボにも弱点があります。ゼンマイにクラッチ機構が付いていないので、目一杯までゼンマイを巻いてしまうとそれ以上は動力補給が出来なくなってしまうのです。つまり「立て続けにもう一本鉛筆を削りたいなー」と人間が考えたとしても、いちど歩かせてゼンマイを完全にリリースしてしまわないと鉛筆を削ることが出来ないのです!! …あのう、それは単に人間側にとって使えないってことではないでしょうか。

とは言えそれはピンチな事態だ。なんとしても今すぐもう一本鉛筆を削らなければ学校に間に合わないというのに!!

そんな時は…

…あまつさえ、なんでこんなのを複数個買わされているのでしょうか。
これも、世界の中心にあるという統一世界マザーコンピューターの指示なのか!?

 

入手時期:2006年1月

価格:¥714

生産国:中国

販売元:ハットトリック

おロボット様の動力補給はしたいが手元に鉛筆はない…という、文房具に縁のない奴隷体質の人類の敵向けに、ゼンマイ巻きハンドルも付属。
これで鉛筆を削ることなくゼンマイ巻き放題です。



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